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冒険ダン吉

ダン吉君は、何をしたかったのだろう?



「冒険ダン吉」って、ご存知ですか?
あまり深く知らないけど、なんか、聞いたことがあるよ。
と、言ってもらえるといいのですが・・・・・

「冒険ダン吉」とは、冒険漫画の草分けで、
戦前・戦後の子供たちに勇気と希望を与え、この漫画に探究心を
くすぐられた少年たちは少なくないそうです。

もちろん、詳しくは知らないし、詳しく知るつもりもなく、
淡々と読んだだけなので、詳しく書けるわけではないですが、
主人公の「ダン吉」君と、ねずみの「カリ公」が、
漂着した南洋の島で繰り広げる、波乱万丈の物語となっています。

と、言うことで大体のストーリーが、頭の中で巡ったと思いますが、
そんな「冒険ダン吉」を読んでいて、
ふと、思ったことを回想文にしてみました。




    やしの葉しげる南の島に漂流した、日本の少年ダン吉君、らんぼうだが素朴な
    住民たちとまきおこす珍妙な事件の数々。猛獣に追われたり、海賊と戦ったり、
    おかしな学校や病院をたてたり・・・・・。笑いの中に少年の果てしない、夢をくりひろ
    げていく、『少年倶楽部』に六年連載の評判漫画。



この漫画を読んだのは、「とある小さな王国」を旅した時のことでした。
一人の気楽な旅、時間はあまるほどあります。
そんな時間を、ゆっくりとゆったりと過ごすために日本から持参した、
四冊の古びた漫画、それが「冒険ダン吉」でした。

その王国は、ダン吉君が漂着したと同じ南洋にあり、
あまり知られた国ではありません。
はじめて日本から訪れる者には、謎の島に漂着したかのごとく、
広大なジャングルに、猛獣や毒蛇、さらには裸俗が住む、
およそ文明とはかけ離れた未開の島であるような、
イメージを抱かせてしまうところです。




    妙なことから熱帯の島の王さまになった少年ダン吉君、奇抜な鉄道をしいた
    り、郵便を始めたり、島の開発にいいっしょうけんめい。ところが、平和をみだ
    す侵入者もたえない。知恵ねずみのカリ公を参謀に、笑いとスリルの冒険また冒
    険。日本じゅうの人気を集めた絵物語式漫画の傑作         <全4巻>



しかし実際の「とある小さな王国」は、もちろん文明社会です。
首都には、小さいながらも鉄筋のビルが数棟建ち、自動車も走っています。
国民たちも洋服を着ており、日本人と同じように生活を
営んでいるようにも見えますが、多くは水上にバラックの家を建て暮らしています。
そんな国民たちは、日差しの強い日中には活動をせず、
のんびりと暮らしているのです。

この王国の見所 それは、わかりません。
観光地ではありませんので、際立つ名所もなく、
人々の暮らしを垣間見ることが、唯一の見所でしょうか。
数日間を王国で過ごしてしまえば、もう、何もすることはありません。
この日もまた、行き交うボートのエンジン音を聞きながら、
日がな一日 堤防に寝転び、本を片手に過ごしていました。

日中の強い日差しと、心地よい雑音のなかで繰り広げられる
「ダン吉君」と「カリ公」の活躍は、刺激の少ない王国で、
時を忘れるのには都合がよく、次第に話に、のめり込んでしまいます。
文明国からやって来た、ダン吉君が、
島民達と奮闘し、田畑を作り、街を作り、道を作り、学校を作る。
島民達も次第に裕福になり、今まで以上に幸せに暮らせるようになって行く。
テンポのいい展開に、心地よい時の流れは、何もかも忘れてさせてくれる。
そのな気分で、ダン吉を読み進めていました・・・・・・・・・・・・・・・・・。


しかし、三巻を読み終えたところで、
急に、妙な感覚に自分が支配されていることに気付き、
ふと「ダン吉君は、いったい、何をしたかったのだろう?」と、頭によぎったのです。


この漫画の書かれた時代、
当時は外国へ行くことが、まだまだ夢のまた夢だったと思います。
そしてまた、複雑で決して裕福でなかった時代だったのでしょう。
そんな時代の少年たちは、この漫画に引き込まれ、
どのような事を思い描いていたのだろうか?
そして、「ダン吉君」に何かを望んでいたに違いありません。
その望みは、書物やラジオでしか見聞き出来なかった南洋への憧れや、
猛獣・土民、そして探検に冒険といった未知との遭遇なのか。
そうではなく、無人島へ漂着してしまった主人公を己にダブらせ、
活躍に想像を膨らませていたのでしょうか。

はたまた、「大亜主義」といったイデオロギーを感じていたのでしょうか。

そんな少年たちの思いを背負った
ダン吉君は、何をしたかったはずであり、何かさせたかったはずである・・・・・・・・

ダン吉君は、勇敢で行動力があり、
頭が良く、礼儀の正しい少年という設定になっている。
三巻の終わりには、同じく漂着した友人の「富士夫」君に出会う。
そして、四巻で何かが起こるのだろうと思う。
その答えとして・・・・


こんなことを思うのは、同じような南洋の島で時を過ごしているからなのか、
それとも旅がそうさせたのかは、わからないけれど、
少年漫画を読み、妙な感覚に支配され、意味も無く、「ふと」思いつめてしまったのです。
たぶん、当時の少年たちも何かを感じ、何かを思ったのではないでしょうか?
しかし、現代を生きる者は、それとは違った事も思うのです。


頭のなかで、幾重にも想像と葛藤が渦巻まき、
刻々と時間が過ぎてゆくことを感じつつ、気づいた時には、
すでに空は赤みをおびていました。

そして空には、子供たちが上げるたくさんの凧が、
気持ちよさそうに舞っている。

空に舞う凧、そして張り詰められた糸を眺めていると、
そんなことを考えていた自分が、なんだか妙に滑稽に思え、
ほっと、ストレスから解放された感じが。


閑散とした町は、すでに人影があふれ、人々の笑い声が聞こえます。
そしてまた、日中には見ることの出来なかった女性たちの姿も。

さて、これから夜が始まる。
「とある小さな王国」に、昼間とは違った世界が始まるのだ。



お話は、これで、おしまい。
なんだか、さっぱり意味がわからないと思いますが、
最後まで読んでくれた人は、ふと、何かを思い浮かべてくれたのではないでしょうか。
「冒険ダン吉」、いや、当時の漫画は、今とは少し違った手法で書かれていたのだそうです。
詳しはふれないが、読んでみると、それがよくわかります。
その手法が、何かを思わせたのかもしれません。

「冒険」に「探検」という「勇敢」さ!
「勇気」に「正義」に「実行」という「行動力」!

何の気なしに、読んでしまえば、それだけでしょうが、

「正義という名の支配」「ボランティアという名の征服」
「仮面を被った偽善」「地位と名声の為の奉仕」
という言葉もまた、同時に頭に浮かんでしまいました。


当時の漫画は意味深いです。
それは、現代社会にも共通した、何かが描かれているからかもしれません。
機会があったら、皆さんも読んでみてください。

ですが、旅の途中で、ふと、思ったこと。
それは、普段は気がつかないことなのかもしれません。
しかし、旅に出ているからこそ、小さな事に、感覚を研ぎ澄ませてしまい、
ふと、思うのだと思います。

さて、あなたが「冒険ダン吉」を読んだなら、何を思うのでしょうか?







この タコ・・・・・・・・
この タコ・・・・・・・・

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